コンビニのトイレ借用是か非か(3)
1987年、当時34歳の私は、神奈川県の矢部駅前にあるビジネスホテルに1年間滞在していた。
職場とホテルを往復するだけの毎日で、街の匂いや季節の移り変わりは、どこか遠くに感じられた。
(ちなみに当時の職場は製鉄会社の研究所でしたが今は青山学院大学になっていました)
朝食は買い置きのパンか、淵野辺駅の立ち食いそば。
昼食は社員食堂のランチ、夕食は定食屋かうどん屋で済ませる日々だった。
そんな単調な生活の中で、私をほっとさせてくれたのが、駅前にできたばかりのコンビニだった。
明るい店内、温めた弁当の匂い、そして小さくてきれいなトイレ。
九州からの長期出張で単身赴任していた私にとって、そこは小さな拠り所だった。
家を買ったばかりで転勤要請もあったが、事情があり断った。
九州にいた頃はコンビニが少なく、利用することもほとんどなかった。
しかし、あの頃の私にとって、24時間営業のコンビニは本当にありがたかった。
定食屋の閉店時間を気にせず残業できたのも、そのおかげだ。
仕事帰りの夕食は、たいていサンドイッチと缶ビール。
ある夜、後輩と一緒にコンビニに入った。
彼は千葉からの転勤を受け入れ、近くの社宅アパートで一人暮らしをしていた。自炊もできていたらしい。
その後輩はトイレに入り、何かを買うふりをしたものの、結局私の支払いを待って一緒に店を出た。
その様子を見て、私は「こいつの評価を見直す必要がある」と思った。
その後の彼の評価も、あまり芳しくなかったようだ。
(了)
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