サラダ記念日
新刊コーナーに『サラダ記念日』が並んでいた。
図書館にリクエストした本を受け取りに行った時のことで、奥付を見ると先月に新装改訂されたばかり。懐かしさが込み上げ、思わずこちらも借りてしまった。
俵万智さんは、私が言うまでもなく天才だ。
難しい言葉を使わず、親しみやすい歌風で、何気ない日常をさらりとすくい上げる。
この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日
「えっ、野菜じゃなくてドレッシングの味がいいんじゃないの?」
そんな突っ込みを入れながら暗唱していたのだが、ふと涙がこぼれた。
この“君”は、きっと相当優しい人なのだと気づいた瞬間、自分の小ささが情けなくなった。
万智さんに出会う以前、私にとっての“天才”は啄木や犀星、そして牧水だった。
しかも皆さん、自分で「俺は天才だ」とどこか自覚しておられたように感じる。
三十年前、熊本県人吉市から大分市へ移動したことがある。
どの道順で行くか地図帳を眺めていたら、宮崎県日向市に牧水の生家を見つけた。
国道沿いにあったので迷わずそのルートを選んだ。
立派な旧家で展示場もあったが、外から眺めて目に焼き付け、大分へ向かった。
それでも、好きな先生の生家を見られたことが嬉しかった。
さらに三十五年前、神奈川県に一年間出張し、相模原市で過ごした。
仕事で橋本市へ電車で出かけることが多く、万智さんに会えないかと、いつもきょろきょろしていた。
当時、万智さんは橋本高校の国語教師。ご自分が天才と思っていなかったように感じる。
橋本高校の生徒がうらやましくてならなかったw
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。