水巻町テニス同好会

遠賀郡水巻町でテニスを楽しんでいる同好会活動などを広報します。

沈黙の福岡県議会

頃末南

政治とカネの問題は、いつも唐突に、そして妙に湿った空気をまとって立ち上がる。

今回の福岡県議会の騒動もそうである。

議長ポストをめぐり、大金を要求されたという県議の告発が出た。

音声もある。証言もある。にもかかわらず、受け取ったとされる側は、烈火のごとく怒るでもなく、机を叩くでもなく、ただ静かに否定するだけである。


この「静けさ」が、どうにも気になる。

普通の人間なら、身に覚えのない大金の話を持ち出されたら、怒る。

「そんなことあるか!」と声を荒げる。

名誉を守るために、相手を徹底的に追及する。それが人情というものである。


ところが、政治家は怒らない。

怒らないどころか、淡々とした否定に終始する。まるで、怒ること自体が不利であると知っているかのように。

私は、この沈黙の構造を見ていると、どうしてもこう思ってしまう。


「反論できないのは、どこかで認めているからではないか」


もちろん、法的には何も確定していない。証拠も、捜査も、まだこれからである。

だが、政治の世界には政治の論理がある。怒れば「図星を突かれた人」に見える。

反論すれば「では証拠を出しましょう」と言われる。

派閥の力学が崩れる。議会の慣例が露わになる。沈黙は、最も安全で、最も合理的な選択なのである。


しかし、合理的であることと、潔白であることは別の話だ。


沈黙は、政治家を守る。

だが同時に、沈黙は市民に「何かあるのでは」と思わせる。

この二つの力が、議会の空気を重くしている。


私は、政治家が怒らない理由を理解しつつも、

やはり「怒らないことの不自然さ」を忘れられない。怒らない政治家は、怒れない政治家なのではないか。

そして怒れない政治家は、どこかで真実に触れているのではないか。


沈黙は、時に雄弁である。

今回の騒動は、そのことを改めて教えてくれる。