大雨で動けない車駐禁か
大雨のニュースが続く夕方、女房がスマホを見ながら笑っていた。
「千葉ではね、大雨で動けなくなった車を全部駐禁にしてるんだってさ」
と、半ば冗談のように言う。
私は思わず「そんなバカな話があるか」と返した。
災害で水没した車を、警察が律儀に違反処理するなんて、どう考えても現実的ではない。
とはいえ、SNSの世界では、写真一枚と誰かの一言が、あっという間に“事実らしきもの”として広まる。
念のため、ネットで調べてみることにした。
ニュースを確認すると、やはり違った。
千葉県では冠水で動けなくなった車が1200台以上にのぼり、
警察や県が撤去作業を続けているという内容ばかり。
駐禁を切ったという話はどこにもない。
むしろ「安全確保のために撤去が急務」という真面目な報道が並んでいた。
「やっぱり駐禁なんてしてないよ」と女房に伝えると、
「だよねぇ、SNSって面白いこと書く人いるよね」と、また笑った。
その笑い方が、どこか安心したようにも聞こえた。
災害のときほど、誤情報は軽い冗談のような顔をして近づいてくる。
でも、少しだけ立ち止まって確かめれば、事実は静かにそこにある。
そんなことを思った夜だった。
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