二人部屋寒い寒いと高齢者
入院生活六日目。
二人部屋は静かなはずなのに、寒い寒いと訴える高齢者と同室になると、入院生活はなかなか落ち着かないものである。今回の入院は五泊六日。病室は二人部屋で、差額ベッド代は一日三三〇〇円。四人部屋は無料のせいか人気があり、常に満床である。入院前の聞き取りでは「四人部屋しか嫌だ」という人が優先されるらしい。私も隣の大黒さん(仮名、九十二歳)は「二人部屋でもいいよ」と言う、気のいい方であった。
高齢者と同居してわかったことがある。ネットなどでよく言われる「高齢者は寒がる」という事実である。筋肉量と代謝の減少、自律神経の鈍りが原因とされている。
急に「寒い」と言われてエアコンの温度を上げる。適温になったかと思うと、今度は「暑い」と言い出す。顔まで赤くなっている。本人は両ひざが悪く、歩行には補助が必要である。そのため私は一日に何度も設定温度を切り替えることになった。
二人部屋だから静かなはずだが、大黒さんのナースコールや看護師の見回りで意外と騒がしい。ナースコールはトイレだけではない。就寝前の睡眠薬の服用を忘れ、何度も呼び出す。「夜眠れない」と訴えるが、昼間はよく寝ている。ごく軽い認知があるのかもしれない。普通に接することが、むしろ良いリハビリになるのだろう。
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